読書のススメ
ネットビジネス検証!読書のススメ
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三太郎の日記 宇宙船ビーグル号
私が19歳の時に読んだ本です。若者なら作者阿部次郎の多感ゆえの苦悩が今なお新鮮に共感できるものじゃないかと思います。青春書としては一級品です。じっくり時間をかけて読むべき本ですね。好きな言葉があります。
「余は独立の人格である。ゆえに余は独自の思想を持つ。ただし、独自の思想を持つとはその結合の状態、統一の方法が独自の面目を呈露するの意味であって、その要素がことごとく独得であるという意味ではない。」
   
    ヴァン・ヴォークトのSFで、3つの短編から成っていたと記憶しています。その一編にひょっとしたら手塚治虫の「火の鳥」はこれがヒントになったのではと思われる鳥が出てきました。
   それは別としても、彼の作品はゾクゾクするような未知の世界へ誘ってくれる魅力的なものです。彼の作品の中でもこれは一押しです。
アウトサイダー 冬の旅
   イギリスの評論家&小説家ですが、この「アウトサイダー」は古今の哲学者・文学者が何を目差していたか、作品を例にして解説している本です。宇宙との合一感や神秘体験をテーマにした作品の解説もあり、文学の世界と人間を理解するには分かりやすい本だと思います。この本からスタートして全部で6巻までありますが、まずはこの1冊ですね。これを読むと、ドストエフスキーカミュの本をもう一度読み返したくなりますよ。  1970年頃ベストセラーになった立原正秋の作品です。あおい輝彦が主演してテレビドラマ化もされましたが、主人公のりりしさと切なさに共感を覚える珠玉の作品です。
モーツァルト頌 メンデ −奴隷にされた少女
   数世紀に渡り、モーツァルトを愛する人たちのモーツァルト感をまとめたものです。一気に読めるものではなく、夜寝る前にナイトキャップでもしながら1,2ページずつ読み進めるといいかもしれませんね。アインシュタインの「死とは……、モーツァルトを聴けなくなることです。」という言葉が有名です。 一昨年の秋に出版された本ですが、未だに「奴隷狩り」が行われていることに衝撃を受けました。
   アフリカ北東部スーダン。村を焼き払われ、親兄弟と離ればなれになった11歳の女の子が、レイプ・奴隷と過酷な境遇を経て逃亡するまでの淡々とした記録です。しかも逃亡できたのが2000年9月でして、現代の話です。日本人は幸せです。
ライ麦畑でつかまえて 千の風になって
   1951年に出版されたこの本は若者達から絶賛を浴びた。ナイーブで感性豊かな16歳の少年の目に映る現代社会、というよりあいまいな人間達の心と行動を皮肉たっぷりに描写するこの本は今でもみずみずしく記憶に残っている。
   私は原書でも読みましたが、それほど難解さはなく、英検2級程度の語学力があればおおかたは読めますよ。紹介するこの本は作家の村上春樹の訳ですが、彼はフィッツジェラルドなど近代アメリカ文学では多数の翻訳もしていて、文体は好きな作家です。
作者不明の英語詩を芥川賞作家・新井満が翻訳したものです。西洋ではかなり前から読み継がれている本で、9.11テロで父親をなくした11歳の少女が一周忌に朗読したりしています。日本では「天声人語」で紹介されて注目されるようになりましたね。詩そのものは短いものですが、やさしく慰められ、同時に勇気づけられる詩です。「偏狭な愛」ではなくもっと大自然とつながる「広大な愛」を感じさせる一編です。
吉川英治版・宮本武蔵 マイロストシティー
   この本を読んだのは中学3年の時ですが、元々、内田吐夢監督・萬屋錦之助主演の5部作の映画の第2部を中1の時見て、宝蔵院のお坊さんとのやり取り、そしてその後帰りの道筋で勝負には勝っていながら「オレは負けた」とつぶやく武蔵の気持ちがわからず、「これは単純なチャンバラ映画ではないな」と感じました。それから1年ちょっとして原作に出会い、「あの意味」を知ろうと貪るように読んだ本です。武道を超えて「人間の道」を追求するストイックな武蔵に感銘しました。
    漫画で「バカボンド」が大人気のようですが、できれば活字で武蔵の世界を知ってほしいですね。映画もいいですよ。
  「華麗なるギャッツビー」で有名なフィッツジェラルドの短編集です。1920年代の寵児と呼ばれながらも栄光の後の失意の日々を過ごす作者の人生観が、村上春樹の無駄を削り落とした翻訳とマッチして不思議な透明感を出しています。フィッツジェラルドの本は集中して何冊か読んだ方がいいですね。
日常生活の冒険 山月記・李陵 他九篇
   大江健三郎の初期の作品ですが、現実の不確かさにもがき苦しむ青年が、日常生活の中で異常と見られる行動をとることによってかろうじて自己を保っていこうとするストーリーで、実は私はこの本がきっかけで大学を休学し、インドなど放浪の旅に出ました。1970年のことです。    33年の短い生涯に珠玉の短編を数多く残している中島敦ですが、中でもこの「山月記」は特に好きな作品です。自己の世界を完成させるためには性の欲求が邪魔になり自ら虚勢するもその後悔と悲しみを儒家の育ちも手伝って漢文調で表し、全体にストイック性がにじみ出ている作品です。
   ほかに「李陵」など11篇から成る1冊ですが、たまにはこういう骨太の小説も読んでみるといいかも。
ホテル・ニューハンプシャー ゲルマニウムの夜―王国記〈1〉
「ガープの世界」や「サイダーハウス・ルール」などで有名なジョン・アーヴィングの傑作です。ホモ、近親相姦、過激派などさまざまなプロットを家族でホテル営業という主軸に紡ぎ織りなす悲しい物語です。ラストの兄妹(弟姉?)のセックス描写は鬼気迫るものがあります。    人を殺し、育った修道院に舞い戻った青年が主人公のこの小説は、修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せるストーリーで、不条理な世界に対する苛立ちをよく表しています。
   作者・花村萬月自身がアウトローの生き方をしているようで、彼ならではの小説でしょう。
言語にとって美とはなにか 柳生武芸帳(五味康祐)
   吉本ばななの父親である彼のこの本は1960年代,1970年代の若者なら一度は手にした本だろうと思う。彼自身には政治的出発があるが、その中で文学、つまり言語の方向性を、言い換えれば芸術として明確化できるかを試みた書物である。ただ、この種の表現に慣れていない人はまるで暗号解読のように難解な書物でもある。    エンターテインメント時代劇を書かせたら五味康祐か柴田連三郎と言われるほど、エンターテインメントに徹し、この「柳生武芸帳」は、柳生宗矩・十兵衛親子と山田浮月斎率いる霞の忍者軍団との武芸帳を巡る争いに、宮本武蔵まで出てくる大活劇である。漢文調の文体には漂う浪漫があり、作者によって十兵衛のイメージはかなり異なるが、私はこの本の中の十兵衛が一番好きである。
    何度も映画化・テレビ化されているが、まずは原作を読んでみることだ。   
メイプル夫妻の物語 緋色の研究−シャーロック・ホームズ
   ジョン・アップダイクの作品の中では好きなものです。17編の短編構成になっていて、若いときから別れるまでの、特に夫の悲しみなどが伝わってきます。恋から始まりますけど、夫婦愛はまた全然違うものであり、清濁含めて包み込む試練が課せさられる二人三脚が夫婦の在り方と今では結論していますが、そのような境地に行き着くまでの、参考になる作品ですよ。ジョン・アップダイクの作品はどれも男性のナイーブさを出していますね。そのひんやり感が好きですね。         アガサ・クリスティーやエラリー・クイーンもいいですが、推理小説ならまずはコナン・ドイルからオススメしたいですね。もう古典の部類に入るものでしょう。ちょっとした仕草で人の心の動きを読み取るホームズ描写がたまらなく気に入り、中学時代にすべてを読みました。短編モノ、長編モノとありますが、この「緋色の研究」は長編モノの第1作です。シリーズものを読み進めるうちに出てきますが、宿敵モリアーティ教授との知恵比べも面白い。
反抗的人間 −カミュー 水滸伝
    現実世界の不条理・不合理さに苛立つ人間なら一度は読んでみてもいい本です。座右の書になる可能性も大でしょう。ベースは「神への反抗」です。自己の確立のためにも操り人形としての自己を拒否するためにも神との決別が第一とするテーマで延々とまくし立てていきます。反抗も神の操りととるかとらないかは個人の意思の問題ですが、青年時代の生きる指針になった本です。「シジフォスの神話」と合わせて読むのもいいかも。結局彼は45歳で1960年、なぞの自動車事故で亡くなりますが、20世紀最も偉大な哲学者だと思っています。           「水滸伝」は吉川英治が定番ですが、先日友人から北方謙三の「水滸伝」もメチャ面白いよと薦められ、今読んでいます。吉川英治の誠実さか、北方謙三のエンターテイニング活劇か、それはみなさんのお好みでチョイスすればよいでしょう。大長編で、活字が苦手な人は横山光輝のマンガもありますが、私はあまりオススメできませんね。活字を読みながら登場人物を自分なりに想像してほしいですね。
悪霊―松永弾正久秀 デミアン −ヘルマン・ヘッセ
  松永弾正の生涯をメインにした小説ですが、善人という善人が登場せず、強奪・レイプ・殺人が日常茶飯事の戦国絵巻といえます。城を焼かれ逃亡する姫がいとも簡単にレイプされる展開は、ある意味、現実的とも言えるものです。「悪漢小説」としてはオススメの作品です。            ヘッセと言えば「車輪の下」が有名で、ワリと道徳的にも教育者が推薦する小説家ですが、この小説を境にヘッセ自身もかなり危険な人間に変わりますし、小説のモチーフも明確な方向性を帯びてきます。ビートルズのジョージハリソンもインドに行って音楽が変わりましたがヘッセもそうですし、私も20歳の頃インドを旅して思うに、インドは、現代文明に対して問題を提起してくれる不思議な大地です。     
失われた時を求めて−マルセル・プルースト
   フランスの文豪マルセル・プルーストの大長編ですが、実は私も全部はまだ読んでいません。中の「スワンの恋」が有名で、それだけでも読んでいいかなと思います。
   この小説の醍醐味は文章力であり、時と空間を立体的に織り交ぜ、ここまで小説として完成できるものかと感嘆せざるを得ないところです。ただ、その難解さに途中で疲れてしまうのですが、もう少し年をとって時間が十分できたらもう一度読み返したい本です。 
 
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